- 委員長:吉本高志
- 副委員長:田中隆一,端 和夫,堀 智勝
- 委 員:阿部 弘,伊藤治英,生塩之敬,大本堯史,
- 小川 彰,嘉山孝正,河瀬 斌,神野哲夫,
- 桐野高明,久保田紀彦,児玉南海雄,小林茂昭,
- 榊 寿右,玉木紀彦,寺本 明,貫井英明,
- 橋本信夫,福井仁士,山浦 晶,山下純宏,
- 山本勇夫,吉田 純
- 出題委員:阿部俊昭,松谷雅生,山田和雄
- 情報処理委員:渡辺英寿,永田 泉
- 会場委員:上出延治,川原信隆,川俣貴一,刈部 博,
- 近藤健男,佐々木富男,城倉英史,竹内茂和,
- 高橋英明,村垣善浩,八巻稔明,山根文孝
- 脳神経外科学会事務局
- 筆記試験(250題):7月16日(日)
- 場 所:サンケイホール
- 口頭試間:8月19日(土),20日(日),21日(月)
- 場 所:東京国際フォーラム
- 受験者総数:383名
- 最終合格者:250名(65.3%)
- 筆記試験受験者:362名
- 筆記試験合格者:255名(70.4%)
- 口頭試間受験者:276名
- 口頭試間合格者:250名(90.6%)
- 合格率年次推移:
- 1990年 68.1%
- 1991年 61.1%
- 1992年 59.6%
- 1993年 61.2%
- 1994年 62.2%
- 1995年 58.7%
- 1996年 57.7%
- 1997年 61.6%
- 1998年 58.0%
- 1999年 61.7%
- 本 年 65.3%
- 1. N関門:55題(神経解剖・神経生理・臨床神経,手術・患者管理,機能的外科・末梢神経)
- V関門:70題(脳血管障害)
- T関門:70題(脳腫瘍65題,感染5題)
- I関門:55題(頭部外傷20題,脊椎・脊髄20題,小児15題)
- 2. 妥当性チェック
- 除外基準(合否判定に用いないもの)
- 1) 上位1/4の正解率が20%以下
- 2) 識別指数(上位1/4と下位1/4の正解率の差)がマイナスの問題
- 1. 一過性脳虚血発作で発症した右内頸動脈閉塞症例の発症1ヵ月後の安静時(図1)及びacetazolamide負荷(図2)123I-IMP SPECT定性画像を示す.中大脳動脈領域の病態で誤りはどれか.2つ選べ.
- A 局所脳血流量の低下
- B 局所脳血液量の低下
- C 局所脳酸素摂取率の低下
- D 炭酸ガス反応性の低下
- E 脳灌流圧の低下
図1 図2
- 2. 画像(MRI,FLAIR)(図3)で示した病態の原因として最も重要なものはどれか.1つ選べ.
- A 頸部頸動脈閉塞
- B 巨大動脈瘤
- C 穿通枝閉塞
- D 心原性塞栓
- E 皮質枝アテローマ
図3
- 3. 図4のような疾患に見られる脳動脈瘤の特徴とはいえないものはどれか.1つ選べ.
- A くも膜下出血は若年発症
- B 脳動脈瘤は中大脳動脈に好発
- C 巨大な脳動脈瘤が多い
- D 遺伝性
- E 死亡率は一般のくも膜下出血より高い
図4
- 4. 72歳女性,1ヵ月前から耳鳴があったが3日前から消失し,右眼の充血,視力障害,複視,疼痛を来した.視力障害はその後も進行している.造影CTを示す(図5).この症例について妥当な推定はどれか.1つ選べ.
- A 視力障害は緑内障が主因.
- B 治療による視力回復は期待できない.
- C 海綿静脈洞内の動脈瘤が破裂した.
- D 眼球上転障害は動眼神経麻痺のためではない.
- E 症状から静脈洞閉塞機転が変動していると推測される.
図5
- 5. 55歳女性,右側頭葉皮質下出血で発症.3ヵ月後のMRIと血管造影像を示す(図6).正しいものはどれか.2つ選べ.
- A 血管内塞栓術が第1選択となる.
- B 動脈瘤は未破裂なので放置して様子をみる.
- C 動静脈奇形はsulcal typeである.
- D 出血例でSpetzler & MartinのGradeも低いので摘出術を考える.
- E eloquent areaにあるので手術より定位的放射線治療を選択する.
図6
- 6. 高血圧性被殻血腫患者が数時間後に悪化した場合,所見として可能性の低いものはどれか.2つ選べ.
- A MRIのT1の高信号
- B 造影剤の血管外漏出
- C 血腫の増大
- D 浮腫の発生
- E 全身血圧上昇
- 7. 単純ヘルペス脳炎について誤りはどれか.1つ選べ.
- A 精神症状
- B 痙攣発作
- C 脳波正常
- D 髄液糖濃度正常
- E 赤沈促進
- 8. 中小脳脚を通る神経路はどれか.1つ選べ.
- A 前脊髄小脳路
- B 後脊髄小脳路
- C オリーブ小脳路
- D 前庭小脳路
- E 橋小脳路
- 9. クモ膜下出血の亜急性期に血清ナトリウム値が低下する患者で,主要な原因となっているものは以下のうちのどれか.1つ選べ.
- A antidiuretic hormone (ADH)
- B atrial natriuretic peptide (ANP)
- C catecholamine
- D aldosterone
- E cortisol
- 10. Functional MRIを上肢の運動負荷によって撮像する場合に,賦活される脳の局所にどのような変化が起きていることを利用するのか.1つ選べ.
- A 水分含量の低下
- B deoxyhemoglobinの相対的減少
- C CO2濃度の低下
- D 細胞外腔の減少
- E pHの低下
- 11. 新生児脳室内出血後の水頭症に対して中圧のV-P shuntを設けたところ,MRI(図7)のような状態が生じた.どのような処置をすればよいか.1つ選べ.
- A V-P shuntを抜去する.
- B V-P shuntを低圧に変える.
- C 4th ventricle-peritoneal shuntを追加する.
- D 後頭蓋窩の減圧手術を行う.
- E 保存的に経過を観察する.
図7
- 12. 全身痙攣が頻発するようになった5歳男児.精神発達遅滞があるが,進行性の脱落症状はない.MRIを示す(図8).どのような対応が最も適当と考えられるか.1つ選べ.
- A biopsyによりmassの組織診断をする.
- B massの切除手術を行う.
- C massに対してガンマナイフ照射をする.
- D 残存する脳梁の切断を行う.
- E 保存的に対応する.
図8
- 13. 66歳男性,交通事故にて受傷.入院時JCS 10,翌日意識レベルの低下と左片麻痺が出現し,CTを再検した.受傷直後(左)と翌日(右)の頭部CTを提示する(図9).この疾患について間違っているものを1つ選べ.
- A 頭部単純写真で半数に骨折を認める.
- B 硬膜外血腫例に比べて,症状は不定のことが多い.
- C 発生機序は深部静脈の閉塞である.
- D 診断基準に既往で脳血管障害がなかったことがあげられる.
- E 受傷後1週間以降に発症することもある.
図9
- 14. 50歳男性,自転車で走行中車と衝突,左前額部を強打した.いったん帰宅したが,数時間後に来院.受診時には意識が低下し,右片麻痺を認めた.来院時(図10)及び10時間後(図11)のCTを提示する.この疾患について正しいものはどれか.2つ選べ.
- A 右片麻痺の原因は脳幹の損傷に起因する.
- B 一般的には症状が直後より出現することが多い.
- C 損傷部位は環椎レベルが多い.
- D 遅発性に症状が現れた場合の予後は良好である.
- E 頸部過伸展が原因と考えられる.
図11
- 15. 7歳男児のT1(左)および造影T1(右)MRIと組織像(H-E染色)を示す(図12).本腫瘍の特徴として該当しないものを2つ選べ.
- A 放射線感受性が低い.
- B 髄腔内播種を起しやすい.
- C gliaやneuronへの分化能力を有する.
- D 壁在結節を示すことが多い.
- E 後髄帆から発生することが多い.
図12
- 16. 主な抗癌剤とその代表的な副作用を挙げた.誤りを1つ選べ.
- A ACNU……………骨髄機能抑制
- B methotrexate………白質脳症
- C vincristine…………末梢神経障害
- D carboplatin…………聴力障害
- E cisplatin……………腎機能障害
- 17. 鼻出血で発症した36歳男性.造影MRIを示す(図13).最も考えられる腫瘍の免疫染色で陽性となる腫瘍マーカーを2つ選べ.
- A neurofilament protein
- B GFAP
- C neuron-specific enolase
- D carcinoembryonic antigen
- E retinal-S antigen
図13
- 18. 写真(H-E染色)(図14)で示した腫瘍の診断はどれか.1つ選べ.
- A meningioma
- B schwannoma
- C ependymoma
- D medulloblastoma
- E hemangiopericytoma
図14
- 19. 血中または髄液中のα-fetoproteinが上昇することがある頭蓋内腫瘍はどれか.2つ選べ.
- A pure germinoma
- B germinoma with syncytiotrophoblastic giant cells
- C yolk sac tumor (endodermal sinus tumor)
- D embryonal carcinoma
- E choriocarcinoma
- 20. 15歳の男性,頭痛,嘔吐を訴えて来院した.造影T1MRIを示す(図15).この画像から考えられる組織像を2つ選べ.
図15
参考として上記20題の妥当性チェックの数字を示す.括弧内の左の数字は上位1/4の正解率,右の数字は識別指数を記す.
- 1.(71,53) 2. (91,42) 3.(77,28)
- 4. (71,25) 5. (87,28) 6. (69,37)
- 7.(86,10) 8. (98,47) 9. (86,22)
- 10. (99,18) 11. (90,14) 12. (84,47)
- 13. (74,28) 14. (69,18) 15. (84,43)
- 16. (89,43) 17. (76,42) 18. (93,19)
- 19. (99,45) 20. (85,32)
各関門で以下の3問題が出題された.
1. Tumor, Infection |
|
central neurocytoma |
|
DNT (postcentral gyrus) |
|
glioblastoma (temporal lobe) |
|
central neurocytoma |
|
glioblastoma (motor cortex) |
|
pituitary adenoma |
|
astrocytoma (Broca area) |
|
convexity meningioma (motor cortex) |
|
2. Vascular, Functional surgery |
|
MC ruptured aneurysm |
|
IC-PC ruptured aneurysm |
|
IC-PC ruptured aneurysm |
|
multiple ruptured aneurysm |
|
A-com unruptured aneurysm |
|
hemifacial spasm |
|
IC-choroidal ruptured aneurysm |
|
IC cave unruptured aneurysm |
|
3. Trauma, Spine, Pediatric |
|
craniosynostosis |
|
CSDH |
|
encephalocele |
|
OPLL |
|
craniosynostosis |
|
hemangioblastoma |
|
arachnoid cyst |
|
MMC+hydrocephalus |
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